コラム
2025年7月31日
猫の熱中症死亡率50%!愛猫を熱中症から守る方法とは?

「猫は暑さに強いから熱中症にならない」
こんな風に思っている方、多いのではないでしょうか?
「その昔、猫の祖先は砂漠に住んでいたので猫は暑さに強い」
こんな話を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。
砂漠は気温は高いですが、湿度は低いです。
しかしながら日本においては、気温は高く、湿度も高いため、猫にとっては過ごしにくい環境なのです。
そして衝撃的なことに、猫の熱中症による死亡率は50%とも言われているのです。
ここでは、愛猫が熱中症によって命を落とすことがないように、その予防法と、万が一、熱中症にかかってしまった場合の対処法についてご紹介いたします。
目次
猫の熱中症の症状とは?
まずは、猫が熱中症にかかったときの症状について、度合い別に見ていきましょう。
猫が熱中症にかかると、次のような症状が見られます。
軽度
- 口を開けて、ハアハアと短い呼吸をする
- よだれが多い
中度
- 体が震えている
- 嘔吐や下痢をしている
- 歩くとフラフラしている
重度
- 体が熱い
- 痙攣している
- 意識がない・もうろうとしている
- 口のなかや舌が紫色になっている(チアノーゼ)
軽度のような症状が見られると、熱中症の可能性が高いといえます。
また重度のような症状が見られたら、かなり危険です。
すぐに応急処置を行ない、急いで動物病院を受診しましょう。
冒頭でも記したように、熱中症にかかった猫の死亡率は50%と言われています。
運よく死にいたらなくても、腎臓障害や脳障害などの後遺症は残る可能性もあります。
熱中症になりやすい猫とは?
猫のなかでも熱中症になりやすい猫がいます。
熱中症になりやすい猫は、次のような猫です。
- 子猫
- 老猫
- 肥満気味の猫
子猫や老猫は、体温調節がうまくできないため、体にたまった熱を体外へ放出することが難しいため、熱中症にかかりやすいのです。
また太った猫も、体内に熱が溜まりやすいため、熱中症になりやすいのです。
また熱中症になりやすい猫種もあります。
熱中症になりやすい猫種は、次のとおりです。
- ペルシャ
- エキゾチックショートヘア
- メインクーン
- ノルウェージャンフォレストキャット
- ヒマラヤン
- ラグドール
ラグドールのような毛が長い猫は、体に熱をためやすいため、熱中症リスクが比較的高いとされています。
どんな環境が熱中症になりやすい?
前述のように、なりやすい猫はいますが、環境によっても熱中症にかかるリスクが高まります。
次のような環境は、熱中症になりやすいので、気をつけましょう。
- 直射日光が当たっている
- 換気ができていない
- エアコンが入っていない
- 猫がひとりでお留守番をしている
上記のような環境は、熱中症になりやすいといえます。
この環境をご覧になって何か感じませんか?
そうです!
私たち人間が熱中症になるときと同じ条件だと思いませんか?
つまり、私たち人間が熱中症になりやすい環境は、猫も熱中症になりやすいのです。
特に、夏場は注意しましょう!
猫の熱中症を防ぐ方法とは?
それでは、猫の熱中症を防ぐためにはどうすれば良いのでしょうか?
見ていきましょう。
ポイントは4つです。
部屋の温度を27度前後に保つ
猫の熱中症を防ぐために、一番注意をしておきたいのが、部屋の温度です。
猫にとって最適な温度は、27℃です。
エアコンなどで常に27℃前後を保つようにしましょう。
しっかりと水が飲める環境をつくる
人間と同じく、猫もしっかりと水分補給をすることが大切です。
新鮮な容器に新鮮な水を出し、いつでも水をしっかりと飲めるような環境を整えてあげましょう。
水飲み場は、1箇所だけでなく複数つくると良いでしょう。
ここで気をつけて欲しいのは、古い水を置かないこと
水が腐っていると、猫は飲みません。
水が飲みたくても飲めないので、熱中症になるリスクが高まります。
目安としては、最低でも1日1回は水を替えるようにしましょう。
自動給水器を利用するのもおすすめです。
クールマットを設置する
猫が上に座るとひんやりと感じるクールマットを設置するのもおすすめです。
エアコンに加え、クールマットがあることで、より快適に過ごせます。
夏場は極力、独りで留守番をさせないようにする
夏場は、熱中症にかかるリスクが特に高くなります。
独りで留守番をさせないように気を配ることも大切です。
どうして独りでお留守番をさせるのは良くないのでしょうか?
熱中症へとつながる思いもよらないトラブルが起こる可能性があるからです。
たとえば、次のようなトラブルが考えられます。
- エアコンの電源がタイマーや猫がリモコンを踏んだことなどにより切れたり、温度設定が変わったりする
- 猫は水が入った容器をひっくり返し、水が飲めなくなる
このようなトラブルがあった場合、独りでお留守番中であれば、発見が遅くなり重症化する可能性があります。
夏場は、猫を独りにしないことが重要です。
猫が熱中症にかかったときの応急処置
それでは万が一熱中症になった場合、どのような応急処置をすれば良いのでしょうか?
ご家庭でできる対処法をご紹介いたします。
- 首や脇など、太い血管がとおっている場所を冷やす
- 体に水をかけたり、濡れタオルで包んだりして、体全体を冷やす
- 水を飲ませる
このような応急処置を行ない、速やかに動物病院を受診しましょう。
早く応急処置をすれば、死亡や後遺症を防ぐことができます。
まとめ
猫が熱中症にかかった場合の死亡率は50%です。
ただし、熱中症は飼い主さんの意識と配慮で防ぐことができます。
大切な愛猫が熱中症で命を落とさないよう、しっかりと気をつけてあげましょう。