「うちの子、急に痩せてきたように感じるけど、何か病気なのかしら?」
そんな風に思っている飼い主さん。
犬が急激に痩せてきたときは、病気の可能性があります。
注意が必要です。
「もう少し様子を見てから動物病院を受診しよう!」
そんな風に思っていると、病状が悪化し、命に関わることになるかもしれません。
ここでは、犬が痩せる原因と、考えられる病気やその予防についてご紹介いたします。
犬が痩せる原因とは?
痩せるということは、消費カロリーが摂取カロリーを上回っている場合に起こります。
消費カロリーは、年齢によっても犬種によっても異なります。
万一、何らかの病気にかかって健康状態に支障をきたすようになると、必要以上にカロリーを消耗するため、カロリー消費と摂取とのバランスが崩れて、結果的に痩せてしまうのです。
犬が急激に痩せるのには、次のような原因があると考えられます。
- 食欲がない
- 食欲があるにも関わらず痩せる
- 季節要因
- 発情期(ヒート)
- 老化にともなう筋肉量の低下
それでは、上記に挙げた痩せる原因について、もう少し詳しく見ていきましょう。
食欲がない
食欲がない=摂取カロリーが少ない
このような状態であるにも関わらず、いつもと同じように散歩に行って遊ばせていると、カロリー消費量はいつもと同じ量でありながら、摂取カロリーが追いついていない状態となることから、自然と痩せてしまうのです。
このようなときには、まずは、ワンちゃんがどうして食欲がないのかという原因を考えましょう。
そのうえで、適切に対処することが大切です。
食欲があるのに痩せる
食欲があるのに痩せるのは、消費カロリーが摂取カロリーを大幅に上回ったときに起こります。
いつもはしないドッグランで思いっきり遊ばせたり、フリスビーのようにハードな運動を行なったあとは、しっかりと食べさせましょう。
一方、病気にかかっているため、痩せてくることもあります。
例えば、糖尿病や腎臓病などにかかると痩せてくることもあります。
季節要因
寒暖差が大きいと、犬も体調を崩します。
例えば、夏になると暑さで食欲がなくなり、痩せてしまうことがあります。
また冬になると、雪の多い地域では、屋外で生活している犬は、寒い中で体温をを維持するために消費カロリーを多く使用するため、痩せることもあるのです。
発情期(ヒート)
発情期のメスは、やや落ち着きがなくなり、食欲が落ちることがあります。
これは、一過性のものです。
発情期が終わって落ち着くと、自然と体重は元に戻ります。
オスは発情期はないのですが、発情期のメスの近くにいると落ち着きがなくなり、食欲が低下し、痩せることがあります。
老化にともなう筋肉量の低下
犬も高齢になると、運動量が減ります。
筋肉が衰えはじめ、筋肉量も少なくなります。
それにともなって痩せて見えることがあります。
老化にともなう筋肉量の低下の場合、痩せ方が緩慢で知らない間に少しずつ体重が落ちていきます。
食欲はこれまで同様です。
食欲もあり、元気もあるが少しずつ痩せてきた原因には、老化にともなう筋肉量の低下であると考えらえます。
犬が痩せる原因の病気とは?

犬が痩せる原因となる病気は、大きく次の6つです。
- 口内炎や歯周病などの口腔内の病気
- 腫瘍
- 糖尿病
- 消化器疾患
- 寄生虫感染
- 腎臓病
それでは、詳しく見ていきましょう。
口内炎や歯周病など口腔内の病気
食べたそうにしているのに、ご飯が食べられないといった場合には、口腔内に口内炎や歯周病など何らかの疾患があるのかもしれません。
腫瘍
腫瘍の初期には、多くの犬が痩せていきます。
飼い主さんは、それまで気づきにくく、気づいた時にはかなり病状が悪化している可能性もあります。
特に、肝臓や肺などといった生きていくうえで重要な主要部位に腫瘍ができた場合、痩せてきたと飼い主さんが気づくころには、かなり病状が悪化している可能性があります。
糖尿病
糖尿病の症状のひとつとして、食べているのに痩せていくというものがあります。
同時に水を飲む量も多くなるので、多食多飲の場合には、糖尿病に注意です。
消化器疾患
消化器での消化吸収がうまくいっていない場合、痩せることがあります。
ただし、慢性の腸炎がある場合、下痢により栄養が吸収されずに痩せてしまうということもあります。
寄生虫感染
寄生虫が消化管にいる場合、腸内での栄養吸収の邪魔をします。
痩せていくのは、そのためです。
腎臓病
腎臓病の場合、症状がかなり進行していると痩せていってしまいます。
さらに進行すると、脱水よりも痩せ方の程度がひどくなります。
犬が痩せてきたときの対処法とは?
犬が痩せてきたら、これまでの食事量や生活パターンと痩せてきている今との比較をしてみましょう。
そのためには、ワンちゃんの日頃の食事量や生活パターンを記録しておくことが重要です。
普段の生活記録と照らし合わせてフードの量を調節します。
食事量や食事回数を増やせば、食べてくれることがあります。
運動量が多い場合は、運動自体を減らすのではなく、その分の消費カロリーを補うためにタンパク質や炭水化物の量を増やしてあげてください。
またドライフードに飽きてきたため食べないようであれば、缶詰タイプやささみをトッピングしてあげると良いでしょう。
まとめ
犬が痩せる原因は、さまざまです。
病気が疑われるものなのか、そうではないのかを飼い主さんが判断するためには、日頃からワンちゃんの食事量や運動バランスの把握に努めることが大切です。
また健康状態にあるワンちゃんの体重を測っておくことも重要です。
愛犬が痩せてくると飼い主さんは、「病気かも?」と不安になることでしょう。
大したことでなくても、念の為動物病院を受診することをおすすめします。
この記事の監修者
獣医師 宮尾 岳
西新宿ペットメディカルクリニック 院長
新宿区の西新宿ペットメディカルです。
動物が病気になったときに治療することだけが獣医療ではありません。
日々の予防を喚起するのも自分の務めです。
日常の些細な疑問やケアからでも病院へ相談、もしくは足を運んで頂ければ幸いです。