予防について

    各種ワクチンについて

    わんちゃん

    犬ジステンパーや犬パルボウイルスなどの感染症は死亡率も高く、仔犬だけでなく成犬・老犬にとっても非常に恐ろしい感染症です。
    散歩中に地面をよく匂う、トリミングにカットしに行く、ペットホテルでのお泊り、病気での治療入院などからでも感染する可能性があります。
    これらの感染症の予防のために、必ず接種しましょう。

    仔犬

    1回目:6~8週齢
    2回目:9~11週齢
    3回目:12~14週齢

    成犬(毎年接種済)

    年一回

    成犬(過去3年間未接種)

    1回目の接種後、3~4週間後に2回目

    予防できるウイルス

    • 犬ジステンパー
    • 犬パルボウイルス
    • 犬パラインフルエンザ
    • 犬伝染性喉頭気管炎
    • 犬伝染性肝炎
    • 犬コロナウイルス
    • 犬レプトスピラ

    ねこちゃん

    外飼い猫ちゃんはもちろん、室内で飼っている猫ちゃんにも必要です。
    室内猫ちゃんは外飼い猫ちゃんに比べ、自然免疫(ウイルスと接触することで、体が鍛えられている状態)が少ないもしくは全くないので、万が一感染した場合、重症化します。 たった一度の脱走、病気・怪我での入院、ペットホテルでのお泊りなどでも感染する可能性がありますので、定期的なワクチン接種をしましょう。

    初乳を飲めているねこちゃん

    1回目:9週齢
    2回目:12週齢

    初乳をほとんどできなかったねこちゃん・ハイリスクの環境下にあるねこちゃん

    1回目:4週齢
    2回目:8週齢
    3回目:12週齢

    予防できるウイルス

    • 猫ウイルス性鼻気管炎
    • 猫カリシウイルス感染症
    • 猫汎白血球減少症

    ワクチン接種時の注意点

    夕方にワクチンを接種した場合、夜中にワクチンアレルギーが生じる可能性があります。そのような場合に飼い主さんが気付けずワクチンアレルギーに対する処置が遅れることがございます。よって、初めてワクチン接種を行う動物や過去にアレルギーが出たことのある動物は午前中にワクチン接種されることをお勧めします。

    フィラリア症とは

    フィラリア症は、心臓と肺動脈の中に15~30cm程の細長い親虫(フィラリア)が寄生することによって引き起こされる病気です。寄生すると呼吸器・循環器障害が生じ、様々な症状を引き起こします。最悪、死に至ることもあります。

    この親虫は感染した犬の体内で大量の子虫(ミクロフィラリア)を生みます。 蚊が感染した犬から吸血した場合、血と一緒に子虫を吸い込みます。蚊の体内に 入った子虫は成長し、感染子虫となります。

    この感染子虫を持った蚊が他の犬から吸血すると、蚊の唾液とともに犬の体内に侵入し、感染が成立します。

    フィラリアの症状は?

    軽度

    咳をする、痩せてくる、食欲がなくなる、毛艶がなくなる、呼吸が浅く速くなるなど

    重度

    貧血(口・目の粘膜の蒼白)、腹水(お腹がパンパンに膨らみます)、血尿

    投与前に検査は必要なの?

    もし、感染していることを知らずにお薬を飲ませると、心臓の中の成虫が移動し、急性フィラリア症をおこしたり、ミクロフィラリアが一度に大量に駆除されることによるショック症状など、重大な副作用が出る場合があります。
    そのため、昨年度の予防の際に1回でも飲み残しの月がある場合は必ず検査を実施します。検査の所要時間は5分ですので、結果はすぐ確認することができます。
    フィラリアに感染している場合は副作用を抑えるお薬を一緒に飲むことになりますので、獣医師にご相談ください。

    予防はいつから?

    5月~12月の期間、1ヵ月に1回(計8回)です。
    フィラリア予防薬は、この皮膚の下に入り込んだフィラリアの幼虫を殺す事によって予防効果が得られます。つまり、予防薬投与後に刺された場合、感染してし まいます。
    そのため予防期間終了が早いと、10~11月はまだ蚊が発生していますので予防が不十分となりフィラリア症になってしまいますので、確実にフィ ラリアの予防を行うために、きちんと12月までお薬を飲ませて下さい。

    猫ちゃんには必要なの?

    フィラリア感染症はわんちゃんのみに認められる病気と考えられていましたが、最近の研究の結果、猫ちゃんの「10頭に1頭がフィラリアに感染」していると報告されました。 また、フィラリアと診断された猫ちゃんの「4頭に1頭は室内飼育の猫ちゃん」でした。

    発症すると、呼吸困難、咳などの喘息様症状が認められます(猫ちゃんのフィラリア症は、他の病気の症状と似ていたり、確定診断が難しいため、見逃されているケースが多いと考えられています)。
    わんちゃんと違い、猫ちゃんではわずかなフィラリア感染症が命取りとなりますし、室内外の猫ちゃんでも感染する可能性は高いため、必ず予防をされて下さい。
    ちなみにフィラリア予防薬はスポット剤(背中から垂らすタイプ)なので、とても簡単です。

    お薬のタイプは?

    錠剤

    お薬タイプ。
    お口に直接入れるか、おやつに包んであげてください。
    フィラリアだけでなく、回虫・鉤虫の駆除もできます。

    チュアブル

    ジャーキータイプ。
    お薬の成分がお肉の中に包まれているので、お薬が苦手なわんちゃんも上手に飲めます。
    フィラリアだけでなく、回虫・鉤虫の駆除もできます。

    スポット剤

    背中に液体を垂らすタイプ。
    飲ませる必要がないので投与が簡単です(ただし、猫ちゃんに限ります)。
    ノミ、ミミヒゼンダニの駆除・予防もできます。

    ノミ・マダニについて

    ノミ・マダニは春から秋にかけて大量に繁殖し、ペットから吸血する寄生虫です。それにより痒みだけでなく、重篤な感染症も引き起こします。
    また、蚊は家の中で増えることができませんが、ノミは驚くべきスピードで増えていきます。家の中で蚊がどんどん増えていくようなものです。

    ペットのためにしてあげた散歩などによってペットや飼い主さんが苦しめられることがあってはいけません。 お外に行く機会のあるペットはしっかりとノミ・マダニの予防をして下さい。

    ノミ・マダニで発症する病気

    • ノミアレルギー性皮膚炎 : 強いかゆみを引き起こす。
    • 瓜実条虫感染症 : 下痢を引き起こす。
    • SFTS(重症熱性血小板減少症候群) : 致死的。
    • バベシア症 : 重篤的な貧血。

    予防薬の種類

    • 経口薬:おやつタイプ。わんちゃんのみ。
      当院ではこちらを推奨しております。例;ネクスガード
    • スポット薬:滴下タイプ。例;フロントライン、レボリューション

    経口薬の長所

    経口薬はマダニへの効果が高く、投与直後でもお風呂は可能です。
    また、皮膚が弱い子にも使えますし、スポットタイプのように滴下したところの毛がパサパサすることもありません。もちろん、滴下した後、飼い主さんの皮膚に予防薬が付着することもありません。

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