コラム
2025年8月29日
猫の脱毛が気になる。原因と対処法、自宅でできるケアの方法について解説

「あれ?うちの子、毛が抜けてない?」
愛猫家の皆さまのなかで、こんなふうに感じたことがある方、いらっしゃいませんか?
ここでは、猫の脱毛が気になったときの対処法について、またその原因と自宅でできるケアの方法についてもご紹介いたします。
目次
猫の脱毛のチェックポイント
愛猫に脱毛が見られたら、まずは次の項目についてチェックしましょう。
脱毛の程度 | ・脱毛箇所の確認(1箇所のみor全身など) ・どのぐらい毛が抜けているかの確認(ごっそりor 皮膚が少し見えるぐらいなど) |
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脱毛箇所に皮膚の確認 | ・かゆみや赤みなど皮膚トラブルがあるかの確認 |
体調、食欲、尿の量や色 | ・元気があるかないか ・食欲があるかないか ・尿の量や色はいつもと比べてどうか |
上記のチェックを終えたら、愛猫の症状について次の項目に当てはめてみましょう。
猫の脱毛の原因について
まずは猫の脱毛の種類について見ていきましょう。
猫の脱毛には、大きく分けて2種類あります。
- ① 皮膚に異常がある場合
- ② 皮膚に異常がない場合
皮膚に異常があるかないかで、原因が異なります。
それでは、①②それぞれの場合の原因について見ていきましょう。
①皮膚に異常がある場合
皮膚に次のような症状がある場合の原因は、ノミ・ダニ・カビの可能性があります。
- かゆみがある
- 赤みがある
- かさぶたがある
- フケが出ている
- 皮膚が膿んでいる
- ノミ・ダニが確認できる
上記のような症状が見られたら、動物病院で、ノミダニの検査をおすすめします。
検査によりノミ・ダニが検出されなかった場合は、真菌(カビ)培養検査が行なわれます。
これにより陽性になれば真菌(カビ)性皮膚炎と診断されます。
陰性であれば、何らかの皮膚疾患や怪我、褥瘡といった原因が考えられます。
②皮膚に異常がない場合
皮膚に異常がなく、全身に脱毛が見られたり、左右対称性の脱毛が見られる場合、大きく2つの可能性が考えられます。
ひとつは、皮膚以外に異常がない場合、心因性の脱毛や発育不全、換毛期の生え変わりであると考えられます。
もうひとつは、皮膚以外に次のような異常がある場合です。
- 尿が薄い
- 水をたくさん飲む
- 元気がない
- 興奮しやすくなるなどこれまでと行動内容が変わってきた
- 体重の変化
- 食欲の変化
この場合、原因を特定するため血液検査が行なわれます。
これにより異常が見られれば、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能亢進症、糖尿病といったホルモン疾患の可能性があります。
異常がなければ、発育不全の可能性があります。
猫の脱毛の対処法について
脱毛が確認できたら、獣医師の指示に従って治療にあたってください。
ここでは、自宅でできる対処法についてご紹介いたします。
自宅でできる対処法については、6つあります。
①正しい被毛ケアと観察
日常的に適切な猫用ブラシで抜け毛を取る習慣をつけておきましょう。
その際、赤みやかさぶた、膿など皮膚の異常がないかを観察します。
過度な擦過は避け、毛玉対策にも配慮しましょう。
②ノミ・ダニ予防と清潔環境の維持
ノミ・ダニ予防薬を定期的に使い、寝具やケージは清潔に保つようにしましょう。
洗濯できる寝具はこまめに洗うこと、部屋の掃除もこまめに行ないましょう。
③適切なシャンプーと乾燥
シャンプーの際には、猫専用の低刺激シャンプーを用いるようにしましょう。
シャンプーのしすぎは新たに肌トラブルや脱毛を促進することにもつながるため、頻度については獣医師の指示に従ってください。
洗浄後はしっかり乾かし、寒冷な環境で長時間放置しないよう注意します。
④ストレスの軽減と生活環境・生活リズムの改善
ストレスが脱毛の原因になっている場合があります。
騒音を減らし、安心できる隠れ場所を確保するなど、ストレスを減らす生活環境を整えてあげましょう。
過度の毛繕いを誘発するような刺激は避けるとともに、飼い主さんとの触れ合いが負担になっていないかについても客観的に受け止める必要があります。
規則正しい遊びや運動、十分な休息、安定した生活リズムは抜け毛の悪化を防ぐ助けになります。
⑤栄養バランス管理と水分管理
バランスの取れた食事を与えることは大変重要です。
良質なタンパク質源と適切な脂肪酸(特にオメガ-3脂肪酸)の供給が皮膚・被毛の健康を支えます。
栄養が偏っている場合には、サプリメントや療法食などを獣医師に相談することをおすすめします。
また十分な水分摂取にも努めるようにしましょう。
⑥アレルギー対策
食物アレルギー、環境アレルギーが疑われる場合には、アレルゲン除去について獣医師とよく相談するようにしましょう。
まとめ
愛猫の脱毛に早めに気づいてあげるには、日頃からの観察が必要です。
脱毛を見つけたら、脱毛の程度や場所、そのほかの症状などを詳しく観察し、動物病院を受診しましょう。
治療後も脱毛が続く、広範囲に広がっているなど症状が悪化している場合には、自己判断は避け、必ず獣医師の診断を仰ぐようにしてください。
可愛い愛猫の健康のためにも、飼い主さんも脱毛に関する正しい知識を身につけておくことが大切です。