コラム

2026年1月14日

犬が首を痛がるのはなぜ?原因になる病気を解説

犬が首を痛がるのはなぜ?原因になる病気を解説

愛犬の首をいつものように撫でたら、「キャン!」と鳴いた!
これってびっくりしますよね。

触っただけで鳴き声を上げるのは、体のどこかに不調があって痛みが出たのかもしれません。
ここでは、犬が首を痛がるときの原因などについてご紹介いたします。

犬が首を痛がる理由とは?

撫でたときに、犬が首を痛がる理由については、大きく3つの理由があります。
それぞれについて詳しくみていきましょう。

神経の病気

脳から首を通って体に伸びている神経のうち、首の部分に異常がある場合、強い痛みをともなうことがあります。

軟部組織の損傷

日常生活のなかで、どこかにぶつけたり、高いところから落ちたりすることがあります。
その際に、筋肉や靭帯、腱など軟部組織を傷めることがあります。
分かりやすく言えば、打撲や捻挫の症状です。

精神的なもの

これまでに首を痛めているときに触られたときに感じた痛みや、首を強く押さえつけられたりした怖い記憶がトラウマとして残っている場合があると、首を触られることにより反射的に鳴く、もしくは怒ったりすることがあります。

犬が首を痛がる原因になる病気とは?

犬が首を痛がる原因になる病気とは?

前述で、犬が首を痛がる原因のひとつに神経の病気によるものがあるとお伝えしましたが、ここではもう少し詳しく見ていきましょう。
首の痛みにつながる神経の病気は、おもに3つあります。

環軸不安定症(亜脱臼)

首の骨は合計で7つあります。
そのうちの第一頚椎(環椎)と第二頚椎(軸椎)がくっついている部分が不安定になり、亜脱臼や脱臼、神経症状を起こす病気です。
先天性であることが多く、次の犬種でよく見られます。

  • チワワ
  • ポメラニアン
  • ヨークシャー・テリア
  • シー・ズー
  • マルチーズ
  • ミニチュア・ダックスフンド
  • トイ・プードル

神経症状は成長期に起こるため、1歳以下で症状に気づき最初の受診をすることが多いですが、若いときには症状が現れず、中高齢になってから症状が現れることのもあります。

首の痛み以外の症状としては、首の神経の圧迫による足のふらつきなどがあります。
この病気の特徴は、急に症状が現れる点です。
重度になると呼吸不全になることもあり、場合によっては命を落とすこともあります。

頸部椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアにも色々種類がありますが、首の神経に関わるものが頚部椎間板ヘルニアです。
首の骨である頚椎と頚椎の間にある椎間板というクッションの役割を果たしている部分があります。
この椎間板が、その上にある神経を圧迫してしまうことによって起こる病気です。

神経を圧迫するメカニズムについては、大きく2つ挙げられます。

①線維輪の損傷によるもの
椎間板の外側にある線維輪という部分が損傷することにより、そのなかの髄核が飛び出し、神経を圧迫することで起こります。

この病気の特徴としては、突然発症するため、ついさっきまで普通にしていたのに、突然「キャン!」と鳴いて急に動かなくなってしまうという点です。

次の犬種によく見られます。

  • ミニチュア・ダックスフンド
  • ペキニーズ
  • ビーグル
  • シー・ズー

②加齢により分厚くなった線維輪によるもの
こちらは、犬種を問わず高齢になると見られるものです。
線維輪が加齢とともに分厚くなり、神経を圧迫することが原因となり起こります。
急に発症することはなく、慢性かつ進行性に悪化していきます。

頚部の神経症状は、次の3つのグレードに分類されます。

グレード1 首の痛みはあるものの麻痺はない
グレード2 歩き方に異常が現れ、足のどこかに神経学的な異常が出る
グレード3 起きたり歩いたりすることができず、すべての足に神経学的な異常が出る

ウォブラー症候群

神経が通っている管(脊柱管)が狭いため、首の神経が圧迫され、神経症状が出る病気で、次に挙げるものが含まれます。

  • 頚椎不安定性・形成異常症候群
  • 頚部脊椎症
  • 尾側頚部脊椎脊髄症
  • 尾側頚椎形成・関節異常
  • 頚椎不安定症
  • 頚椎すべり症

発症は大型犬に多く、次の犬種に多いとされています。

  • ドーベルマン
  • グレート・デーン
  • バーニーズ・マウンテン・ドッグ
  • セント・バーナード
  • ボルゾイ

症状としては、歩行障害があり、ウォブラー症候群の犬のうち40%の犬に首の痛みが出るとされています。

すぐに動物病院を受診したほうが良い場合とは?

「キャン!」とは鳴いたものの、その後普通に歩き回っていたり、自分で首を動かしている場合は、心配ないでしょう。

緊急性があるのは、次のような場合です。

  • 耳から首のあたりがピクピク痙攣している
  • 足を引きずったりよろけたりしている

このような場合には、神経系の病気を患っている場合があります。
速やかに動物病院を受診するようにしましょう。

犬が首を痛がる場合の対処法について

犬が首を痛がった場合、飼い主さんとしては、詳しく様子を見たくて、首を触りたくなりますが、それにより麻痺などほかの症状が出る可能性があります。

また犬が警戒して飼い主さんを噛んでしまうかもしれません。
できるだけ動かさず安静にしておきましょう。

動物病院へ連れて行く際には、抱っこをしてあげ、できるだけ揺れの影響がないようにしてあげましょう。

犬の首の痛みの予防法とは?

残念ながら、これといった確実な予防法はありませんが、強いて言うなら、愛犬の頭と首へ負担をかけないことです。
例えば、激しく頭を動かすような運動や遊びは避ける、リードを強く引っ張りすぎないことなどが挙げられます。

首の痛みが精神的なものから来る場合もありますが、これを予防するためには、トラウマを作らないことです。
愛犬が嫌がることはしないようにしましょう。

まとめ

首の痛みは、わんちゃんにとって日常生活に大きな支障となります。
飼い主さんは、愛犬が首を痛がるそぶりを見せた場合、病気である可能性がある場合には、できるだけ早く動物病院を受診するようにしましょう。

この記事の監修者

西新宿ペットメディカルクリニック 院長 獣医師 宮尾 岳

獣医師 宮尾 岳

西新宿ペットメディカルクリニック 院長

新宿区の西新宿ペットメディカルです。
動物が病気になったときに治療することだけが獣医療ではありません。
日々の予防を喚起するのも自分の務めです。
日常の些細な疑問やケアからでも病院へ相談、もしくは足を運んで頂ければ幸いです。

医院情報
病院名西新宿ペットメディカルクリニック
住所〒160-0023 東京都新宿区西新宿4-30-9
電話番号03-3299-1328
ホームページhttps://nishishinjuku-pc.com/

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