「愛猫がずっとよだれを垂らしている」「愛猫のよだれが止まらない」
このような愛猫のよだれ、飼い主さんとしては気になりますよね。
ここでは、猫がよだれを垂らす原因や病院に連れて行ったほうがいい場合など、猫のよだれについてご紹介いたします。
猫のよだれの原因とは?
猫が異常なほどよだれを垂らしている原因は何でしょうか?
猫は犬ほど、よだれを垂らすことはあまりありません。
しかしながら猫がよだれを垂らす=病気とは限りません。
それでは、猫がよだれを垂らすのはどのようなときなのでしょうか?
興奮したり緊張することにより交感神経が刺激されるとよだれを垂らすことがあります。
また、逆にリラックスしたりお腹が空いたりすることにより副交感神経が刺激されたときにもよだれを垂らすことがあります。
これらの場合は、心配する必要はありませんが、心配なよだれもあります。
ここからは、病院に連れて行ったほうがいい猫のよだれについてご紹介いたします。
歯周病や口内炎など口のなかの病気
歯周病は、高齢の猫に多く見られます。
歯垢に含まれる細菌が毒素を産生し、それにより歯肉や歯周組織が炎症を起こすのです。
また口内炎は、歯垢や歯石が溜まっていたり、猫免疫不全ウイルスや、感染症、猫白血病ウイルス感染症、猫カリしウイルス(猫風邪)などの影響で免疫力が低下しているときに細菌感染し、舌や歯肉などに炎症が起こる症状です。
熱中症
猫は比較的暑さに強いですが、夏場にエアコンの効いていない部屋や炎天下の車のなかで留守番をしているときに熱中症になることがあります。
てんかん
てんかんには2種類あります。
原因の分からない「突発性」と脳腫瘍のような脳の病気が原因の「症候性」があります。
よだれを垂らしながら痙攣したり、手足をバタバタさせれるのは、てんかんの代表的な症状です。
腎不全
腎不全は、高齢の猫に多く見られます。
腎臓は体のなかの毒素や老廃物を尿として体外に排泄する役割があります。
腎不全になると、腎臓機能が低下するため、本来の役割を果たせず、毒素や老廃物が体内に溜まることにより「尿毒症」を引き起こします。
その症状のひとつが、よだれです。
猫のよだれ、危険度チェックリスト!

猫がよだれを垂らしていても大丈夫な場合と、そうでない場合があるのは、ここまで読み進めていただいてお分かりいただけたことと思います。
お腹を空かしているとき、撫でられてリラックスしているときは、猫はサラッとしたよだれを垂らすことがあります。
また、ケージに入れられて車に乗せられるときなど緊張していると、粘り気のあるよだれを垂らすことがあります。
両者ともに、すぐによだれは止まりますので心配は入りません。
ただし、よだれがなかなか止まらない場合や、よだれ以外の症状も伴っている場合には、注意が必要です。
ここからは、よだれの危険度チェックをしてみましょう。
<猫のよだれ危険度チェック>
- 歯茎から出血があり茶色っぽいよだれが出ている
- 口が臭い
- ご飯が食べにくそう
- 食欲がない
- 口を開けたまま、よだれを垂らしている
- 呼吸が早い
- 嘔吐している
- 泡状のよだれをしている
- 何度も嘔吐する
- 口が臭い
- 痩せてきた
危険度チェックから見える病気の可能性
上記のチェックリストに当てはまる症状があれば、次に挙げる病気の可能性があります。
★上記の危険度チェク①②③④に当てはまる→歯周病や口内炎など口のなかの病気が疑われます。
このまま放っておくと、猫の葉の根元に白い膿が溜まって、歯茎に穴が空いたり、歯が抜けたりします。
食欲が落ちてしまえば体力も低下するので命の危険があります。
★上記の危険度チェック⑤⑥⑦に当てはまる→熱中症が疑われます。
放置しておくと、意識がなくなる、全身が痙攣するなどといった症状が表れ、命の危険があります。
★上記の危険度チェック⑧に当てはまる→中毒やてんかんが疑われます。
何かの中毒だった場合、誤って飲み込んでしまったものや量によっては、命に関わることもあります。
てんかんの場合は、軽度の発作であればすぐに元に戻りますが、短時間で何度も発作を繰り返したり、発作の時間が長い場合は、重篤な状態に陥ることもありますので注意が必要です。
★上記の危険度チェック④⑨⑩⑪に当てはまる→腎不全が疑われます。
腎不全の場合、放っておくと取り返しがつかない事態につながります。
早急な受診が必要です。
猫のよだれの予防法
ここからは、原因別予防法についてご紹介いたします。
お腹が空いてよだれを垂らしている場合
ご飯の量が少ない可能性があります。
量の問題でないようであれば、食事の回数を増やすようにしましょう。
緊張や興奮からよだれを垂らしている場合
まずは緊張や興奮から解放させてあげましょう。
キャリーケースに入ることが嫌な場合であれば、普段からキャリーケースを部屋に置いておくなど慣らしておくこともひとつの方法です。
歯周病の予防
歯周病は、歯磨きをすることで予防できます。
しかしながら、口の中を触られる猫ちゃんは多いので、徐々に慣らしていくようにしましょう。
まずは、口元を触ることから始め、口のなか、次にガーゼを巻いた指で歯磨き、これができるようになれば、歯ブラシで磨きます。
口内炎の予防
口内炎の予防は、ワクチン接種で可能です。
熱中病の予防
夏場はエアコンをつけっぱなしにする。
新鮮な水をすぐに飲めるような環境づくりを行なう。
肥満にならないようにする。
腎不全の予防
塩分を控える。
新鮮な水をすぐに飲めるような環境づくりを行なう。
7歳以上になれば定期的に血液検査や尿検査を受け、早期発見につなげる
まとめ
猫のよだれがいつもより多い、何かおかしい・・・
こんな風に思って確認しようとしても、口のなかを触られるのを嫌がる猫は多いため、なかなか確認もできないというお悩みをお持ちの飼い主さんもいらっしゃることでしょう。
日頃から、歯磨きをして口のなかを触らせてもらえるように信頼関係を築いておくとともに、猫のよだれに対する理解を深めておくことも大切です。
猫は犬と違ってよだれをあまり垂らさないので、よだれが出ているとまずは病気を疑ってみることが大切です。
たかがよだれですが、されどよだれです。
この記事の監修者
獣医師 宮尾 岳
西新宿ペットメディカルクリニック 院長
新宿区の西新宿ペットメディカルです。
動物が病気になったときに治療することだけが獣医療ではありません。
日々の予防を喚起するのも自分の務めです。
日常の些細な疑問やケアからでも病院へ相談、もしくは足を運んで頂ければ幸いです。